「第72回サンレモ音楽祭2022」
2月1日から5日まで開催されたサンレモ音楽祭2022が大好評で幕を閉じました。開催中、新型コロナ感染者は多かったものの減少傾向にあり、そしてもはや皆慣れてしまったのか特に支障なく終わりました。イタリアでは3回目ワクチンの接種率が上がると反比例して感染者が減少しています。2月7日の感染者は4万1247人、死者326人で日を追うごとに減っていますが、死者が比較的多いのは高齢化のためと言われています。日本も3回目の接種が行き渡ると感染拡大が縮小に転じると思います。
サンレモ音楽祭に話を戻すと、ビッグレースと呼ばれるベテラン歌手が競う部門が当音楽祭の本命ですが、そこで優勝したのがMahmoodマムードとBlancoブランコの2人組、曲は”Blividi”。マムードは2019年“Soldi”で優勝したので今回で2度目の快挙です。ところで二人は自由世代のシンボルと言われています。自由世代と言うのは、男同士で仲良く愛撫(性的意味はない)してもヘンに思わない、男女の既成概念の垣根を超えた生き方が普通の人たちのことを意味します。日本でも自由世代が確実に増えていますね。そう考えると今や世界は小さいとつくづく実感します。2位のエリーザElisa“O forse sei tu”も落ち着いた良い曲です。3位はGianni Morandiジャンニ・モランディの“Apri tutte le porte”でした。
モランディは今回の参加者中最年長で77歳、“Apri tutte le porte”は一昔前のイタリア的明るさがいっぱいの曲です。今回は大御所と呼ばれる歌手が二人出場しています、モランディ77歳とマッシモ・ラニエリMassimo Ranieri70歳ですね。ラニエリの“Lettera di là dal mare”は8位でした。これもとても良い曲ですが、若い世代にはあまり受けなかったのかも。年齢関係なく歌手が競うこうした音楽祭を見ると、古い世代が良いと感じる部分と若い世代が良いと感じる部分が違っていることが分かります。モランディの曲が3位だったのは明るい曲の雰囲気が世代を超えて好かれたからでしょう。
音楽祭4夜目、ジャンニ・モランディとジョヴァノッティがメドレーを歌いました。謳われたのは“Occhi di ragazza”、“Un mondo d’amore”、“Ragazzo fortunato”、“Penso positivo”です。ジョヴァノッティは55歳、初代ラッパーで今はカッコイイ年の取り方をしています。今回は特別招待で出演しました。歌い終わった後、サプライズで登場し新型コロナに振り回される学生たちのために詩人で女優のMariangela Gualtieriマリアンジェラ・グアルティエリの詩“Bello mondo(美しい世界)”を朗読しました。司会で芸術総監督のアマデウスも彼に頼まれて絵を即興で描きました。絵の出来栄えは…お察しくださいレベルでしたね。
ではまた
関連動画:
“Blividi” https://youtu.be/Te236EDr_-k
“O forse sei tu” https://youtu.be/AzoiVvE8k6M
“Apri tutte le porte” https://youtu.be/Sym1JSadkys
“Lettera di là dal mare” https://youtu.be/IYyF8-p6jaU
“Madley di Gianni Morandi e Jovannotti” https://youtu.be/_aa2P4yYWP8