「イタリアの近況&新型コロナウイルス禍に負けない感動的な曲たち」

いろいろ我慢に日々ですが、皆様お変わりありませんか。終息に向かいつつある中、油断せずしっかり気を引き締めて頑張りましょう。
イタリアの状況ですが、飲食業の2か月間の休業は大きなダメージになって連日メディアを騒がせていました、最近では事業再開に向けての細かい感染防止策を話題にしています。ミラノのドゥオモ周辺旧市街地では飲食業界の元従業員で失業&家をなくしたホームレスが多く集まるようになってきました。彼らは帰ることができる故郷が遠い、あるいは故郷がないなどの理由でいったん家を失えばホームレスになるしかないのだとか。こうした人たちの救済措置が今後一日でも早く取られることを祈るばかりです。イタリアのみならずEU全体(一部を除く)がロックダウンしたことでワインや農産物の輸出は大きく減少し、行き場のなくなった食品は慈善団体に寄付されました。農業では収穫期を迎えて深刻な労働者不足が大きな問題になっています。例年、収穫期になると季節労働者が大勢必要になるのですが今年は州境も国境も閉鎖されているため各地で必要な労働力を確保できずに大きな問題になりました。特に今まで当局のお目こぼしを受けてきた不法移民=季節労働者の扱いを巡って政府は規制案を検討中で進展が見られません。もっとも規制と言っても不法労働者を締め出すのではなく風俗業と同様に政府が労働者を管理するためのものです。農業関係の労働者不足は治安の問題と言うより感染が心配されるため容易に雇うことができない心理が働くことが大きな原因でしょう。夏に大人気の農業体験型休暇も、今夏は禁止かもしれないと危惧されましたがこちらは厳格な規制を設けたうえで再開できそうです。
新型コロナウイルスで大きな打撃を受けているのは飲食業だけではありません。音楽やショービジネス業界の人たちは不安定な雇用形態で働く人たちが多く、イタリア政府の援助金の給付もままならず途方に暮れている人がメディアで窮状を訴える記事を最近多く目にするようになりました。ラウラ・パウジーニなど多くのアーティストが音楽業界復活のための提言をコンテ首相に出すなど業界の復活に必死です。これに関しては前回のコラムで取り上げましたね。
さて、ロックダウン最中にイタリア人の心を一つにした言葉「andrà tutto bene(きっとうまくいく)」を題材にした曲やイタリア社会の窮状を励ます歌が複数発表されています。

① Elisaエリサ(feat. Tommaso Paradiso)の「Andrà tutto bene」

② 今年のサンレモ音楽祭出場者Levanteレヴァンテの「Andrà tutto bene」

③ Jack Savorettiによる初めてのイタリア語の曲「Andrà tutto bene」https://www.youtube.com/watch?v=xjG-6ZDmiP4
④ シンガーソングライターでもあるラッパーNesliの「Andrà tutto bene」https://www.youtube.com/watch?v=Xj8L0NVpTCo
⑤ Roby Facchinettiの「Rinascerò rinascerai」(きっと僕は生まれ変わり、君も生まれ変わるよ)

⑥ 2018年にサンレモ音楽祭で優勝したErmal Metaの「Finirà bene」(最後はきっとうまくいく)

ここでは歌詞の翻訳や解釈は曲が多すぎるので控えさせていただきますが、どれも本当に感動的な歌詞の良い曲です。是非聞いてくださいね。

それではまた。