「音楽の話はちょっと脇に置いて…最近の四方山話」

 こんにちは。日本のワクチン接種状況は欧米に比べて遅れていると批判する向きがありますが感染者数が違うので、ここは冷静に行動したいものですね。感染者数と死者数共に多いイタリアのワクチン接種状況は、予定通り進まない状況や行政の不手際など様々な批判を国民から浴びつつ前進しています。とはいえ、24時間の感染者数が2万人を超えることはなくなりましたけれど、1万人を下回る日はなかなかありません。死者数も平均して500人前後と多いことが非常に懸念されています。一時はロシア製のワクチン輸入を検討するとカンパーニア州の知事が言い出したことがありました、さすがにEUの認可が下りていないワクチンをイタリア一国が輸入することはできませんから実現しなかったようです。今までの発言から見るにカンパーニア州の知事は年齢の割に血気盛んで公共の場でのスラング発言も相当イケる人のようですね。
ナポリと言えば現在感染警戒が最も高い地域で、強制的に休業させられているブティック、宝飾店、画廊などでショーウインドーに下着を陳列して強制休業に対抗する動きがあります。不思議に思われるでしょう?感染警戒度が高い地域では、生活に必要不可欠と判断された店は仕事を続けられます。スーパーや薬局などが代表例ですね、でも業種によっては衣料品店も営業できるのです。そう、下着を売る店です。この1年我慢を重ねてきたけれど、下着屋が営業出来てウチは駄目なの?は?何で?ということで、ショーウインドーにこれ見よがしに値札が付いたブラを並べて営業再開する店が増えているというわけです。先日はナポリでデモが、ローマでも営業再開を求めるデモがあり、ミラノでは慈善団体の食糧配給に長蛇の列ができました。
もっとも経済が回復する兆しもあります、業種によって状況は大きく違うようですけれど。コンテ政権と違ってドラギ政権は欧州復興基金を軍需産業にも適用することが決定しました。これに異議を唱えるメディアもありましたが、イタリアは立派な武器輸出国ですから産業のすそ野が広い分野への公的援助は当然でしょう。ドラギさんは欧州銀行の総裁を務めた人ですし、危機的状況の経済を再建することは何よりも優先しなければいけないのです。なぜならイタリアについてOCSE(英語:OECD経済開発協力機構)のレポート「Going for Growth 2021.Shaping a Vibrant Recavery」には「経済危機により今後さらに就業率が低下し(だだでさえ低いのに!)不公平感が強まる、特に低い学歴やスキルがない人は危険である」とあるからです。リモートワークの促進など細かい様々な提言がされていますが、全体として国が迅速かつ積極的に経済支援に乗り出すことが効果的だとしています。この提言、イタリア以外に日本にも当てはまるように思うは私だけでしょうか。

ではまた。