「イタリア情報 欧州の新型コロナ感染状況など」
ロックダウン後のイタリアは新型コロナ感染第2波に非常に過敏になっています。最近は24時間の感染者が概ね500人前後で推移しているので医療機関など安定していますが、スペインやドイツでは第2波到来とアンサ通信は報じています。18日の記事(アンサ通信)によると「スペイン保健省によると24時間での感染者は2,128人、その前日の感染者は1,833人だった。またドイツでは昨日の感染者は1,390人と感染者数は増加に転じている」、クオティディアーノNetによるとフランスの24時間での感染者は2,238人という事でした。
イタリアの学校は9月再開予定なので、再開するか否か、再開した場合の授業形態はどうするか、など連日メディアを賑わせています。現場の声を受けたのか教師の臨時採用を大幅に増やすことも発表されました。8月初頭に高速鉄道のソーシャルディスタンス措置が期限を迎えたため解除されましたが、国民から一斉批判を浴びて僅か一日で再び元に戻しました。また公共の場でのマスク着用を義務化(18時~6時)されました。夜の繁華街で主に若者のマスク非着用が目立っていたので政府が素早く対策に動いた形ですね。
日本のGoToキャンペーン同様、イタリアでも政府の旅行補助金を使って旅行に行った人たちが帰国して空港などで感染確認される事例が相次いでいます。クロアチアなど外国旅行から帰国した人たちから感染者が出ているので、この時期に海外旅行はやめた方が自分のためにも周囲のためにも無難ですね。
日本の文部科学省にあたるMinistro dei Beni e delle Attività Culturali e del Turismoは緊急財源から1千万€(約126億円)を音楽業界への補助金に充てることにするという事です。音楽業界といっても映画やショービジネスも含まれるのでいわゆるエンタービジネス業界全般に適用されます。ロックダウン後にコンサートやツアーが再開されていますが、感染第2波へ警戒から有名歌手のツアーが中止・チケットの払い戻しが軒並み発表されているのでこうした補助金は本当に必要でしょう。ディスコやダンスホールの閉鎖が決定したこともあり、エンタメ業界には忍従の時が続きます。
いまやイタリア音楽市場の85%はデジタル技術に頼っています。ストリーミング配信技術と新型コロナの影響で音楽業界の在り方が根底から変わると言われています。もちろんビデオクリップも同様でロックダウン最中に作られたビデオクリップの中にはtiktokをフル活用したものが幾つかありました。ちなみにこのアプリはイタリアでも若い世代を中心に爆発的人気を博しています。ところで今夏発表された多くのビデオクリップでソーシャルディスタンスを意識しているのか、大勢が肌を触れ合うように踊る場面を使わずに夏の明るく楽しい雰囲気を演出するように工夫して製作されていることが分かります。
Tiktokの中毒性は昨年からイタリアの学校関係の新聞で指摘されていました。当時の記事では特に10歳~14歳のとても若い層で瞬く間に人気になり、子供たちは目立つために何でもするとインスタグラムなど他のソーシャルメディアと同じような危険性を危惧されていただけですが今は政治問題になりました。「イタリアでtiktok禁止なら学校に行かない」と子供たちは抗議しています。さしあたってイタリア政府は何もしないようで子供たちは安心…かな?