「ポストコロナのイタリア」

イタリアではロックダウン解除後のお祭り気分は落ち着き、今人々は新日常生活に慣れることに忙しいようです。日本のようにマスク装着率ほぼ100%とはいかないようですが、ファッション・アイテムとしてお洒落なマスクの価格はうなぎ上りです。その点日本のマスクに対する考え方と違って興味深いです。
今年は感染爆発と欧州感染中心地としてすっかり悪名を馳せてしまったイタリア、とはいえ国境を接する国々も次第に国境を開放し、1日の感染者数が継続的に減少していることもあってイタリア政府はスペインと共に欧州議会にEU域内の全面開放を提言しました。ちなみにイタリアの24時間の感染者数は303人、死者26人で日本と比較すると多いですが24時間の感染者数が千人台だったころと比べると格段に減少しました。ただし感染者の半数以上はロンバルディア州で、この傾向はずっと変わりません。皮肉なことに経済活動が活発な北部では感染者もまた多いのです。
一昨日6月15日から映画館、劇場、サーカス、野外劇場、アレーナが再開しました。これはいわゆるフェーズ3と呼ばれる段階です。観客は互いに最低1mの間隔を空けて、席に着くまでマスク着用です。アーティストや公演関係者は準備中及び稽古期間中、手袋とマスク着用が義務付けられています。ソーシャルディスタンスを守るため座席数を大幅に減らしているので興行収入は大丈夫かと心配になりますが、なによりも公演を再開することが重要なのです。ボローニャのEleonora Duse劇場でコンサートを行った歌手ジャンニ・モランディは安全のために観客数を大幅に制限した慎ましい公演の前に「ファンの近くにいたかった。“普通の日常”に向かっての一歩だ、感動すると思う。」とインタビューで抱負を述べました。Gianni Morandiのコンサートの様子はコチラ:
https://www.youtube.com/watch?v=3af8z5vh7Hs