「ふんわり優しい歌声が魅力の歌手Levante、Diodatoの元恋人の幸せな近況」
先月大好評のうちに閉幕したサンレモ音楽祭。あの時は新型コロナウイルスの脅威を他人事のように傍観していたイタリアです。思えばのんびりしたものでした…
あれから一月もしないうちにイタリア全土は緊急事態に陥り、二千人以上の感染者を出しているロンバルディア州(州都ミラノ)で感染者数が3番目に多いクレモーナ市の救急外来関係者は過労で燃え尽きそうとインタビューで答えていました。病床数400の病院に4千人が殺到するなど明らかに対応能力の限界を迎えているようで、軍の施設では不足ということで政府はホテルを検疫期間の滞在先にすることを検討中ということです。
さて、前回のコラムで今年のサンレモ音楽祭優勝者Diodatoの曲「Fai rumore(音をたてて)」が元恋人のシンガーソングライターLevanteに捧げられたものという憶測を呼んでいるとを書きましたが、その後Levanteが新アルバム「Megmamemoria」PRのためのインタビューで明らかにしたところ「あの曲は私に捧げられたものじゃないわ。彼(Diodato)だって知っているわよ。実は新しいアルバムは彼との思い出を余すところなく詰めたものなの。」と野暮な憶測はきっぱり否定し、日ごろ私生活は明かさない彼女にしては珍しく新アルバムに込めた思いを語りました。
恋バナが先行してしまいましたがLevanteもサンレモ音楽祭の出場者の一人(曲は「Tikibombom」)で今最も注目の歌手の一人です。Levante(本名Claudia Lagona)は1987年シチリアのカターニア近郊に生まれました。2001年トリノに家族で移住し、同市で歌手としてデビュー、イギリスのリーズ市に移住しました。2013年、イタリア音楽産業協会(FIMI)からシングル曲「Alfonso」がゴールドランク(15,000売り上げたシングルを指す)に認定されました。現在までリリースしたアルバムは「Manuale distruzione(破壊のトリセツ)」や「Abbi cura di te(自分の面倒は自分でみて)」など4枚で、2017年には最初の小説「Se non ti vedo non esisti e Questa è l’ultima volta che ti dimentico(もし私があなたに会わなければあなたは存在しない、そしてあなたを忘れるのはこれが最後)」を刊行し、瞬く間にイタリアでの売り上げTop10に入りました。他の歌手とのコラボも数多く手がけるなど精力的に活動しています。また先ごろイタリアでは常に大もての金髪&青い目の新婚約者をSNSでお披露目するなど、幸せいっぱいのようです。
ふんわりと優しい彼女の歌声をぜひ聞いてみてくださいね。